日本企業が海外進出するメリットとは?
事業拡大の際に、海外進出を視野に入れる方も多いかと思います。
海外に事業を展開するメリットは多くありますが、中でも税務上のメリットは、多くの企業にとって進出の大きな動機となります。
本記事では、海外進出によって得られる税務上のメリットと、海外進出を税理士に相談すべき理由について解説していきます。
海外進出は進出形式が鍵
日本企業が海外へ進出する際、主に以下の2種類の進出形式が推奨されます。
- 海外支店方式
- 海外現地法人方式
これらのどちらを選ぶかによって、その後の税負担と事業運営に大きな影響を与えます。
税法上のリスクを抑え、節税効果を発揮するためには、事業計画や進出先の国の税率を考慮し、適切な形態を慎重に選択することが、国際競争力を高める上での鍵となります。
海外進出のメリットとは
海外進出は、新たな市場の開拓やサプライチェーンの多様化、人員の確保といった事業的なメリットに加え、税制上のメリットももたらします。
これらの税制上のメリットは、進出形態の選択と、国際税務の知識を活用することによって実現します。
以下で各進出形式におけるメリットを見ていきましょう。
海外支店方式によるメリット
海外支店方式とは、海外に支店を設けて、事業を行う方式を指します。
この方式で海外進出を行った場合、日本で納める法人税額を抑えられる可能性があるというメリットがあります。
海外進出してすぐのタイミングでは、設備投資などの費用がかかり、赤字になる場合が多くあります。
しかし、海外支店は、法的には日本の本社と同一の法人として扱われるため、こういった赤字を日本国内でも黒字と相殺することができます。
これにより、法人の全体としての課税所得が減少し、法人税額を軽減できる場合があります。
海外現地法人方式によるメリット
海外現地法人方式とは、新規に会社を設立するか、またはM&Aによって現地法人を取得し、日本の本社とは法的に独立した別会社として事業活動を行う形態を指します。
この方式のメリットは、税率の最適化が可能な点にあります。
現地法人が得た所得は、原則としてその法人所在国の税制でのみ課税されます。
そのため、進出先の法人税率が日本よりも低い場合、税率の差額分、税負担を抑えることができます。
また、M&Aによる現地法人取得の場合、既に存在する繰越欠損金などの税務上の資産を有効活用できる可能性がある点も重要です。
タックスヘイブンの注意点
タックスヘイブンとは、法人税率が極端に低い、あるいは非課税の国や地域を指します。
タックスヘイブンに該当する国は、海外企業を多く誘致するために、こういった税制上の優遇措置をとっています。
かし、こういった地域に現地法人を設立して利益を移転させる行為は、国際的な租税回避と見なされ、日本にはそれを防ぐための外国子会社合算税制が設けられています。
この制度は、現地法人の税率が低い場合などに、その現地法人が上げた利益を強制的に日本の親会社の所得に合算して課税するものです。
税率の低い国に進出する際は、この対策税制に抵触しないよう、厳密な要件を確認する必要があります。
海外進出は税理士に相談すべき
海外進出時の税務は、国内税制に加え、進出先の税制、そして国際間の租税条約が複雑に絡み合うため、高度な専門知識が必要です。
税理士に依頼することで、これらの複雑な国際税務をスムーズに処理し、税務上のリスクを回避することができます。
二重課税を回避しやすい
日本企業は、海外で得た所得について、進出先国と日本の両方で課税される二重課税のリスクがあります。
税理士は、日本が各国と締結している租税条約の適用や、外国税額控除の手続きを適切に行うことで、二重課税の問題を解消し、納税者の負担を軽減しやすくします。
税負担を適切化しやすい
進出先の国や事業内容に応じて、海外支店方式と海外現地法人方式のどちらが、税負担を抑えられるかをシミュレーションできます。
たとえば、創業初期で赤字が見込まれる場合は損益通算が可能な支店方式、安定的に利益が出ている場合は低税率の現地法人方式など、企業の状況に応じた進出形態と資金計画を提案し、グループ全体の税負担の適切化を図ることができます。
手間を省ける
海外進出先の税制は、日本の税法とは異なり、その内容を理解するだけでも多大な時間と労力がかかります。
税理士に依頼することで、現地国の税務申告や、日本の国際税務に関する複雑な手続きを代行してもらえるため、経営者は煩雑な税制理解の手間から解放され、本業である海外での事業展開に集中することができます。
まとめ
日本企業が海外進出するメリットは、損益通算が可能な海外支店方式、または低税率の現地法人方式を選択することで、税負担を抑えることができる点にあります。
ただし、タックスヘイブン対策税制や二重課税のリスクが伴うため、注意が必要です。
海外進出にはさまざまな不安が伴いますが、税理士に依頼することで、適切な進出形態の選択、二重課税の回避、そして煩雑な手続きの手間を省き、国際競争力を高めやすくなります。
海外進出をお考えの際は、ぜひ1度、専門の税理士までご相談ください。
